プログラミングRustを読んだ

プログラミングRust

プログラミングRust

  • 作者: Jim Blandy,Jason Orendorff,中田秀基
  • 出版社/メーカー: オライリージャパン
  • 発売日: 2018/08/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ずいぶん積んであったので時間もあることだし読んだ。Rustについて構成が良く、あと分量があるのもあって、Rustの特徴である所有権の考え方への理解が深まった。

Rustではプログラミングのあらゆる場面で所有権の機構が関わってくる。そのためまずは所有権の話題についてしっかり理解したあとで、徐々に他の部分を理解する必要がある。なのでこの本では、2章の「Rustツアー」でマンデルブロ集合の描画プログラムを試すところでざっくりRustの雰囲気を教えてくれたあとで、さっそく4章の「所有権」で、重要な概念を学ぶことになる。そこからは、プログラミング言語の書籍によくある順番で、式やらモジュールやら構造体やらと順番に教えてくれる。

基本的な言語機能を学んで、所有権について雰囲気がわかってきたところで、後半くらいから所有権がからむとちょっと難しくなるクロージャやイテレータやコレクションの話題が登場する。このあたりは説明も充実しているし、コードもいろいろでてくるので、所有権についてウンウン考えながら読むことになる。すべてを読み終わるころには、自然と所有権の考え方が身についている(ような気がする)。

すばやく読んだし、あんまり手を動かしていないので、ばりばりRustが書けるかというとだいぶあやしいものの、Rustのコードをみてもだいたい雰囲気がわかるようになったし、この本を辞書代わりにすればRustを使っていける気がする。ただ、そもそもRustはシステムプログラミングのための言語なのですごく使いたくなる場面があるかはわかんないなと思う。WebAssemblyとかを、Fastlyのエッジコンピューティング環境で動かすとかはできそう。